公開: 2022年10月5日
更新: 2022年11月26日
20世紀のオーストリアでは、精神医学の研究が進歩し、精神疾患を持つ子供たちの中に、特定の対象に強い興味を持ち、特別な才能を発揮できる人々がいることを発見した精神医学者がいました。それが、アスペルガー症候群を発見した、ウィーン大学のアスペルガー博士でした。アスペルガーは、精神疾患のある子供達を自分の病院に集め、個々の子供を観察し、見るべき才能のある子供と、そうでない子供を見分けました。
有能な才能が見出された子供たちは、優遇されました。そうでない子供たちは、劣悪な環境に置かれ、その多くが、若くして施設内で亡くなりました。アスペルガーは、その功績によって、戦後、ドイツ精神学会の会長の座に就きました。しかし、その後、第2次大戦中の子供達の分別の責任を問う声が国内から出ました。アスペルガーは、アスペルガー症候群の発見と言う偉大な功績を残しましたが、「役に立たない子供」を見分けて、死なせると言う罪も犯しました。